グローバル機械工学人材交流プログラム

留学生の1日

精密工学専攻
藤井研究室修士2年
松本 倫実

精密工学専攻 藤井研究室修士2年 松本 倫実
留学先:スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)

8時15分:起床
起床したら身支度を整えて、キッチンで朝食をとります。朝食はだいたいいつもジュースとヨーグルト(スイスのヨーグルトはとてもおいしいです)。
キッチンは共同だったのですが、3人のルームメイトのうちB1生2人はだいたい8:00にはもう家を出ており、残りのM2生はもっと起きるのが遅かったのでうまく住み分けられていました。ごくたまに起きる時間がみんなかぶった時はてんやわんやになることもありましたが。
前日に作っておいたお弁当をもって8:50くらいに学校へ出発します。私の寮は学校から徒歩10分程度の場所にあったので非常に通学が楽でした。


写真左:寮の前の駅、右:寮の前の駅から見た学校

9時:学校到着・研究開始
私の研究室はアバウトにコアタイムがあり、8:15~8:45前後に早い人は登校して、17:00ごろに帰宅していました(お昼過ぎに登校して深夜までいる夜型の人もいました笑)。
登校したらメールチェックしたのち、スーパーバイザーの博士の方とその日やることについてディスカッションして実験などに移ります。
学生室は真ん中に実験スペース、壁に向かって学生の机があるという実験室一体型のものでした。

10時〜12時(水曜日/木曜日):研究室ミーティング
毎週水曜日もしくは木曜日の10時から午前中いっぱい研究室ミーティングが行われます。
研究室ミーティングでは、なんと朝食として各種パンと飲み物が出ます。ミーティングを通して余った分は学生室に持って帰って学生みんなで食べていました。

12時:昼食+コーヒーブレイク
お弁当をもって研究室のみんなでカフェテリアに移動し、昼食後、エスプレッソを買ってコーヒーブレイク。1時間きっちり休みを取る人がほとんどでした。
昼食はカフェテリア近くの食堂でも頼めますが、1食9~13CHF(1000~1500円程度、写真左)と高いので基本的にポスドクの人しか食べません。



13時:研究再開

16時:コーヒーブレイク
研究室の誰かが誕生日だと、ケーキを作ってきたり買ってきたりしてこの時間にみんなで食べます。



18時30分:研究終了
研究室を出た後は急いで買い物に行ったり(スーパーは20時まで)、Rolex learning  centerで勉強したり、友達と街へ出て飲んだり様々です。研究室の人たちとオペラを見に行ったこともありました。
朝が早いと夜に多くの自由時間ができるのですごく有意義に一日を過ごせます。





18時45分〜20時15分(木曜日):フランス語入門コースの授業
EPFLでは留学生含め、学生は無料で言語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語)の授業を受けられます。研究室の業務に支障が出ないよう、時間帯も選べます。毎週木曜のこの時間はフランス語入門の授業を、毎週火曜8:00から英語プレゼンの授業をとっていました。
また、授業のほかにもTandem制度(現地の大学生と言語を教えあうプログラム)、Buddy制度(現地の大学生に生活をサポートしてもらうプログラム)などを有効活用している人が多かったです。

帰宅後は夕食がまだの時は夕食を作ったり、寮の人達とパーティしたり、言語の授業の課題をしたり。24時過ぎに日本(朝8時)にいる家族とビデオ通話しているときもありました。

23時~26時頃:就寝

週末の過ごし方
週末はほかの留学生とハイキングしたり、旅行に行ったり。学校の方で留学生向けの旅行イベント(ESN)があり、参加して他の留学生と交流を深めていました。
また、美術館や博物館が好きだったので、一人で過ごすときは学生割引(学生証提示で約半額になります)を利用して出向いていました。スイスは町ごとに美術館と博物館、科学館があり、その街の歴史や時代背景を知ることができます。何もなければ洗濯と買い物に奔走し、基本的に平日よりも早く起きてあわただしい生活を送っていました。
スイスはドイツ、フランスが近いため、週末を利用して国外に出ている人もいました。特にフランスのエビアンには船に乗って湖を渡るだけでつくため往復2000円程度で行くことができます。



 私は機会があれば海外の大学に通いたい、海外の大学でいつか研究をしてみたいと思っていました。しかし、海外に移り住んで慣れない環境で長期間大学院に通うことは気が進まず、また、博士課程やポスドクで行くとなると結果を重要視されるので大変だという話も過去に聞いていました。そこで、修士課程のうちに短期留学すれば、結果にさほど左右されず好きなことを現地で研究できるだろう、ある意味手軽に研究生活を体験できるのでは、と思い本プログラムに参加しました。実際に留学してみると、プロジェクトの大枠は決められていたものの、実験結果の考察から次に行う実験の実験計画などはスーパーバイザーに助言をいただきつつある程度自由に組ませてもらうことができ、非常に楽しく研究が行えました。しかし、4か月間という期間は、海外での研究生活の体験や海外の学生との交流という点で非常に充実していた一方、研究をある程度の形にするには短く、追加実験が十分にできないなど心残りとなることもありました。

 私は生物学専攻の研究室で微小空間での癌細胞の3次元培養について研究していました。周りがほとんど皆博士課程の学生かポスドクで、何気ない質問をしてもそこから非常に専門的な討論がなされることもしばしばあり非常に面白かったです。毎週の研究室ミーティングでは3人ずつ英語で発表が行われ、最先端の細胞工学について触れることができました。ただ、わからない単語が多く理解が困難であったり、質問したくてもできなかったりということが多々あり、英語力の必要性を実感しました。

 留学先での経験は必ずしも研究に関することのみではありません。日常生活における日本との違い、言語体系は勿論、時間の使い方、週末の過ごし方、好まれる食べ物などを留学生や現地の人々とのコミュニケーションを通じて学び、それが自分に与えた心境の変化も非常に大きいと感じます。

 たとえば、帰国して一番大きな変化を感じたのは、外国人留学生に対して自分から驚くほど話しかけやすくなったことです。留学先のローザンヌは公用語がフランス語ですが必ずしもフランス語が見なできるわけではなく、アメリカ人は英語、イタリア人同士はイタリア語など、様々な言語が飛び交っていました。その経験から、大学内で公用語ではない言語でコミュニケーションをとるハードルが下がったのではないかと思います。

 もしここをご覧になっている皆様が留学することになったら、研究も日常生活も思う存分楽しんでください。そして現地でしか味わえない経験をたくさん糧にしていただけたらと思います。

精密工学専攻 藤井研究室修士2年 松本 倫実

留学生の1日
2022年度
-> 精密工学専攻 伊藤高松研究室修士2年 水谷 あやな
-> 機械工学専攻 ムテルドゥ研究室修士1年 谷内田 大貴
-> システム創成学専攻 川畑研究室修士1年 諸星 璃月

2021年度
-> システム創成学専攻 髙橋研究室修⼠課程1年 森島 拓⽣

2018年度
-> システム創成学専攻 鳥海研究室修士1年 菊田 俊平
-> 機械工学専攻 高木・杵淵研究室修士2年 堀 直樹
-> 精密工学専攻 梅田研究室修士2年 岡田 有希
-> 機械工学専攻 山中研究室修士1年 樗木 浩平

2017年度
-> システム創成学専攻 村山研究室修士1年 木村 圭佑
-> 精密機械工学専攻 金研究室修士1年 森下 靖久
-> 機械工学専攻 高木・杵淵研究室修士2年 中西 紘章

2016年度
-> 精密工学専攻 梶原研究室修士1年 菊池 章
-> システム創成学専攻 福井研究室修士1年 四方 裕

2015年度
-> 精密工学専攻 小谷研究室修士1年 加藤 直之
-> 機械工学専攻 塩見研究室修士1年 桐谷 絵美

2014年度
-> 機械工学専攻 塩見研究室修士2年 二田 智史
-> 精密工学専攻 藤井研究室修士2年 松本 倫実

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