グローバル機械工学人材交流プログラム

留学生の1日

機械工学専攻
ムテルドゥ研究室修士1年
谷内田 大貴

機械工学専攻 ムテルドゥ研究室修士1年 谷内田 大貴
留学先:英国ケンブリッジ大学

7:30 起床
朝食:スーパーで売っているパンやヨーグルトを適当に食べます。

9:00 通学

滞在4ヶ月のうち、最初の3週間住んでいたセントジョンズカレッジから研究室のあるInstitute for Manufacturing(IfM)までは徒歩30分ほどかけて通いました。残りの3ヶ月ほど住んでいたシェアハウスからは自転車で30分程度でしたが、道中の景色が綺麗です。多くの人は街の中心部や研究所付近に住んでいて片道10分-20分程度のようです。自転車レーンが充実していて、街中の移動には自転車があればほぼ困りませんが、夜遅くや雨が激しいときはバスやUberも使いました。

9:30 研究開始

共有スペースでお茶を飲んでから研究を始めます。主にCVDや真空蒸着といった実験活動が中心となり、はじめの数週間で安全講習や装置の使い方を学びました。毎週金曜日の午前中には研究会に参加し、隔週月曜日に1時間ほど現地と日本の指導教員にオンライン/対面のハイブリッド式で個人ミーティングの時間を取ってもらいました。最後に、12月中旬の研究会で4ヶ月の研究成果を発表しました。

13:00 頃

研究室のメンバーと一緒に昼食をとります。所属していたNanoManufacturing Groupは主に博士課程とポスドクの方が中心でしたが、皆さんとても優しく、快適な研究室生活を送ることができました。共有スペースに集まって話すときは研究だけでなく色々な話題で盛り上がっていて、毎回楽しかったです。主に近くのカフェテリアで3~4ポンド程度の弁当(物価高を受けて学生への経済支援的な期間限定の割引がありました)を購入していましたが、たまにIfMから無料の食事が提供されることもありました(写真)。

18:00 研究終了

何もない日はそのまま家に帰ります。滞在期間の大部分は大家さん1人+ルームメイト7人のシェアハウスに住んでおり、当番制の夕飯調理が週1回ほど回ってきます。私の料理は微妙だった気がしますが、最年少かつ学生ということで大目に見てもらいました。家がバイオメディカルキャンパスの近くのためメンバーは医療関係の社会人や研究者の方が中心で、様々な場面で助けてもらいました。こちらも皆さんとても優しかったです。

時々夕方から研究室のメンバーでバドミントンをしたり、パブで飲み会をしたりしました。また、各カレッジが主催するフォーマルディナーやクリスマスパーティに招待いただく機会もあり、ケンブリッジらしい伝統的な雰囲気に触れられたのは良い思い出です。研究室以外にも現地日本人会の方々などには何度もお世話になりました。イギリスではコロナの規制緩和がいち早く行われていたこともあり、ソーシャルイベントを含めワークライフバランスを大切にして余暇を楽しもうとする姿勢が印象的でした。

23:00 就寝

休日の過ごし方など

イギリス東北部へのターミナル駅であるロンドンキングスクロス駅へは直通電車で1時間ほどです。電車賃は往復3000円~5000円程度と少し高めで、ストライキなどによるトラブルが頻発するため利用の際は注意が必要です。


ケンブリッジ駅から電車で20分程度のニューマーケットは競馬の街です。


近郊のDuxfordにある帝国戦争博物館(IWM)は世界最大級の航空博物館です。SR-71やコンコルド、スピットファイアなどが展示されています。


少し街を外れるだけで美しい田園風景が広がります。自転車部主催のグループライドがあり、おしゃべりやカフェ休憩を挟みながら楽しく走り回ることができました。


イギリス最大級のソールズベリー大聖堂です。12月は各地の大聖堂やカレッジのチャペルでクリスマスコンサートが行われており、週末にルームメイトと出かけていました。


年末にマルセイユとリスボンに行きました。ヨーロッパ各地へ就航している格安航空の拠点であるスタンステッド空港やガトウィック空港へはグレーターアングリアやテムズリンクなどの直通列車がありとても便利です。

その他印象に残ったこと

ケンブリッジは常に住居不足のようで、多くの人がやってくる新学期(9月など)は特にその傾向があるようです。私の場合、指導教員のおかげで最初の3週間はセントジョンズカレッジという学生寮(写真)に滞在することができ、その間に次の住居を見つけました。カレッジの部屋を見つけるのは少し大変ですが、寮生の入れ替わりなどのタイミングも重要で後から空室の連絡が来る場合もあります。


食事はどうなのかと各方面から質問されたのですが、個人的にはあまり困りませんでした。物価が高いので自炊が多くなりそうですが、アジア系スーパーや各国料理のお店があります。フィッシュアンドチップスに醤油が合います(※個人の感想です)。

終わりに
本記事では滞在中の経験のごく一部を紹介させていただきましたが、ここには書き切れない数多くの学びがありました。現地で取り組んだ研究や生活、得られた人間関係を決してその場限りのものにせず、新たなスタート地点として今後の自分に繋げたいと思います。私が本プログラムへの参加を決めたのは出発の6ヶ月前とギリギリでしたが、周りの方々に助けられながら実りのあるものとすることができました。現地指導教員であるMichael De Volder 先生や日本からサポートいただいた先生方、研究室の皆さんをはじめ今回関わったすべての人にこの場を借りて感謝するとともに、参加を検討している人が一歩を踏み出す参考になれば嬉しいです。

機械工学専攻 ムテルドゥ研究室修士1年 谷内田 大貴

留学生の1日
2022年度
-> 精密工学専攻 伊藤高松研究室修士2年 水谷 あやな
-> 機械工学専攻 ムテルドゥ研究室修士1年 谷内田 大貴
-> システム創成学専攻 川畑研究室修士1年 諸星 璃月

2021年度
-> システム創成学専攻 髙橋研究室修⼠課程1年 森島 拓⽣

2018年度
-> システム創成学専攻 鳥海研究室修士1年 菊田 俊平
-> 機械工学専攻 高木・杵淵研究室修士2年 堀 直樹
-> 精密工学専攻 梅田研究室修士2年 岡田 有希
-> 機械工学専攻 山中研究室修士1年 樗木 浩平

2017年度
-> システム創成学専攻 村山研究室修士1年 木村 圭佑
-> 精密機械工学専攻 金研究室修士1年 森下 靖久
-> 機械工学専攻 高木・杵淵研究室修士2年 中西 紘章

2016年度
-> 精密工学専攻 梶原研究室修士1年 菊池 章
-> システム創成学専攻 福井研究室修士1年 四方 裕

2015年度
-> 精密工学専攻 小谷研究室修士1年 加藤 直之
-> 機械工学専攻 塩見研究室修士1年 桐谷 絵美

2014年度
-> 機械工学専攻 塩見研究室修士2年 二田 智史
-> 精密工学専攻 藤井研究室修士2年 松本 倫実

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